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「公共資本主義」の提案 [新しいしくみ]

これまで2011年1月9日から7月17日までのブログで、現在世の中で起きている「景気の悪さ」等の現象は時代の流れである旨説明し、その後、7月23日から10月16日までのブログで、新しいしくみをスーパーサプライヤーモデルとして提案してきた。
提案はもう少し続くと思うが、見通しが見えてきたので、新しいしくみに対し命名したいと思う。「公共資本主義」がその名前だ。Googleで検索したが、少なくとも日本語では手垢が付いていない名称のようなのでこれを命名させてもらうこととする。
これまでの復習だが、公共資本主義のコンセプトは「自転車操業的な拡大再生産が必須で過当競争と失業を生みだす社会構造から脱却し、健全に発展していくしくみや効率性を損なわずにワークシェアリングし、ゆとりあるライフスタイルを確保した持続可能な社会構造を実現する」であり、以下の要素により実現される。
・企業のスーパーサプライヤー化:上場しているような大企業などの事業体を「スーパーサプライヤー」として公的に運営する。具体的には、スーパーサプライヤーと見なした(評価できた)法人の株を公共事業体が順次取得していくことにより実現する。対象とする企業の選定基準(業種や規模等)は新しい社会の成熟度に応じて随時見直す。
・公的業務のスーパーサプライヤー化:公的業務も同様にスーパーサプライヤーとして運営する。
・仕事の公募:できるだけ多くの人が従事できるよう、スーパーサプライヤー内の仕事の単位を可能な限り小さい単位、短い期間に区切って公募する。
・既得権の排除:正社員や公務員といった既得権を排除して、公募する仕事に対して、誰もが同等な条件で応札に参加し仕事を得る。同一の労働、同一の成果に対して、労働の価値に見合った同一の報酬とする。
・情報アクセスの公平化:誰もが同等な条件で応札できるよう、技術情報、業務プロセス、その他の営業情報や経営情報含め、全情報が開示されている(但し、法律、契約等により守秘義務を課された情報、正規な手続きにより定めた機密情報は除く)。
・集合知による改善:あらゆる情報の開示の副次効果として、スーパーサプライヤー業務に対し、集合知によるプロセス改善が期待できる。
・世界政府による企業のスーパーサプライヤー化:スーパーサプライヤーはGlobalにPublicな事業体である必要がある。理想は世界政府への帰属だ。
・起業の自由:スーパーサプライヤー全盛の時代になっても新たに起業することは自由だ。
・仕事の十分な供給:世の中に必要な仕事量には限りがあるが、世の中で産み出された価値が世の中全体の人々に混乱なく分配できるように、働きたい人全てにいきわたるくらいの十分な量の公的業務を提供する。世の中全体で公的業務をどれだけ実施するかは皆で決める。
・労働条件のベースライン:スーパーサプライヤーの業務の設計内容により、世の中全体の労働条件のベースラインをコントロールできる。スーパーサプライヤー業務は十分な量提供されることから、これより悪い労働条件の仕事は淘汰されるためだ。
・競争原理のシフト:企業や公的業務のスーパーサプライヤー化進展に伴い、競争原理は、企業レベルから、個々人のレベルに徐々にシフトしていく。個々人のレベルで競争原理が機能することにより、モラル維持、文化・文明の進歩を担保する。
・再分配:仕事の生み出す付加価値によって報酬の差は一層激しくなるであろう。貧富の極端な差を解消するため、これからも再分配のしくみが必要だ。具体的には、収入や資産の大きさに応じ、累進的に法人や個人に課税することが想定される。

これらが社会のしくみに組み込まれることにより、公共資本主義のコンセプトである「自転車操業的な拡大再生産が必須で過当競争と失業を生みだす社会構造から脱却し、健全に発展していくしくみや効率性を損なわずにワークシェアリングし、ゆとりあるライフスタイルを確保した持続可能な社会構造を実現する」が実現できると考える。
現時点では個人的な机上検討レベルなので誤りや不備はたくさんあるのではと考える。コンセプトに同意してもらえるなら、誤り、不備を指摘し、できれば改善提案していただければと期待しております。

なお、「公益資本主義」が数年前から提案されており「会社は社会の公器」と主張されている点では同じような方向性にも見えますが、別物です。
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